Seminar 2023 / セミナー情報2023

Quark-Gluon Plasma in proton-proton collisions?

2023年10月23日(月) 13:00 @H526
Speaker: Peter Levi (Wigner Research Center for Physics)

Entropy and blackhole

2023年8月3日(木) 13:30 @H526
Speaker: Pak Hang Chris Lau (Osaka Univ.)

Abstract:
Quantum information theory has found interesting applications in fundamental physics in recent years. I will explain how it can help us understand problems in blackhole physics. I will review the black hole information paradox and some interesting questions that can be asked and explored in the framework. I will set up a simple toy quantum mechanical model to analyse the paradox and explain what we can learn from it.

高密度QCD相転移に起因するレプトン対生成率及び輸送係数の異常増大

2023年7月27日(木) 13:30 @H526
Speaker: 西村 透 (大阪大)

Abstract:
ハドロン相の低温・高密度側には一次相転移線とその端点であるQCD臨界点が、より高密度領域にはカラー超伝導(CSC)相の存在が様々な理論的解析によって予言されている。近年、米国RHICのBES-IIをはじめとした重イオン衝突実験によってQCD相図における低温・高密度領域の探索が活発に行われている。今後、現在計画中のJ-PARC-HIも含めた世界各地の実験によって、高密度QCD相構造の理解に関する飛躍的進展が期待されている。  我々は、QCD臨界点及びCSC相転移が二次相転移であることに起因して各臨界温度周辺で顕著に発達するソフトモードに焦点を当てる。本研究では、それらソフトモードがレプトン対生成率及び電気伝導率・緩和時間にどのような影響を及ぼすのかを解析する。その際、超伝導理論でよく知られたAslamazov-Larkin (AL) 項という光子自己エネルギーの計算を、2-flavor NJL模型を用いて行う。我々はこの項を用いた生成率の解析によって、ソフトモードが臨界温度周辺における低不変質量領域の生成率を異常に増大させることを確認した。そして、この生成率の低エネルギー・運動量極限に対応する電気伝導率と緩和時間の計算を通して、それらが各臨界温度直上で発散し、その発散の指数が各相転移によって異なることを示した。今回の発表では、以上の結果について報告し、臨界温度における発散を各ソフトモードプロパゲータの解析性や極の温度依存性に基づいて説明する。

1+1次元系に現れるキンク近傍のエネルギー運動量テンソル分布の量子補正

2023年6月29日(木) 13:30 @H526
Speaker: 伊藤 広晃 (大阪大)

Abstract:
場の理論におけるソリトンは新奇で多様な物理現象を生み出すことが知られており、盛んに研究が行われている。1+1次元実スカラー$¥phi^4$模型及びサインゴルドン模型におけるキンクのエネルギー運動量テンソル(EMT)分布の1-loop計算を行う。この解析では、赤外発散と紫外発散が生じるという問題がある。 集団座標法を用いて、赤外発散の源である並進モードをキンク重心の並進運動の自由度に変換することで赤外発散を取り除く。また、紫外発散は真空におけるEMTで引き算することで取り除く。この際、Mode number cutoffと呼ばれる正則化を用いる。得られたエネルギー密度の空間積分が既知のエネルギーの値を再現すること、及び応力がEMT保存則と無矛盾であり、並進対称性が尊重されていることを示す。また、 $¥phi^4$模型とサインゴルドン模型の結果の違いについても議論する。