Research Interest / 研究内容
当研究室では、以下のテーマに興味を持ち、研究を行っています。
- 有限温度・密度における量子色力学の物性論、
特にクォーク・グルオン・プラズマ状態の物理 - 電子線・ニュートリノによる反応とハドロン共鳴
- バリオンの内部構造(クォーク・グルオン構造)の研究
- 格子QCDによる第一原理数値シミュレーション
   原子核の構成要素である陽子および中性子、またその仲間であるハドロンを更に分解すると、「クォーク」と呼ばれる自由度に行き着きます。
我々の住む世界ではクォークはハドロンの内部に閉じ込められており単独では観測されません。
しかし、宇宙初期の超高温状態においてはクォークが閉じ込めから解放された状態が存在したことが知られています。
私たちは、宇宙がこのような状態から現在の姿に至る過程で辿った閉じ込め相転移や自発的対称性の破れなどの物理現象の解明を目指した理論的研究を行っています。
   また、同時に現在の宇宙におけるハドロンの内部構造や反応プロセスを探ることで、クォーク間の相互作用を支配する量子色力学(QCD)が織りなす多彩な
ダイナミクスを探求し、更にはQCD及び標準模型を超えた理論的枠組みを探ることを目指しています。
   これらの研究においては、超相対論的原子核衝突などの実験との比較が鍵を握るほか、ときにはスーパーコンピュータを用いた第一原理シミュレーションを行うこともあり、私たちのグループではこのような問題も得意としています。